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「単語1コ」から始める英会話(その7)

 なぜだか「難しい道」を用意する日本の社会

 10年以上真剣に英会話に取り組んできて、1年半前から始めたオンライン英会話のおかげもあり、やっと日本語のできない相手(外国人講師)と1対1、英語のみで25分間のフリートーキングができるほどに上達できました。で、このレベルに来て思うことは「やっぱり日本の英語教育は変だな。」ということ。

 一番おかしな点は「重要でない文法まで重要にしている」。その代表格が「動詞にSを付ける」です。主語がHe,She,Itの時は動詞に「S」を付けるーというアレです。実際、会話の中ではしばしば(かなり)この「S」は無視されます。(というのは、いちいち付けたり外したりしていられないー会話は速いテンポで次から次へとどんどん進むから)。「ええと、この場合は主語がHeだから○○でーあっ、でも過去形文だから~」なんて考えていると、普段でも話すのが遅いのにもっとスローになってしまって、会話の「間(ま)」が非常に悪くなる。で、「S」なんか付けずに話すのですが、会話には全く影響がないです。唯一、文法に厳しい講師から「今の英文、こことここで「S」が抜けていましたよ。」と指摘を受けるくらいのこと。別に付けようが付けまいが、会話の内容、情報の伝達には全く支障がないーつまり、動詞の「S」付けは実は重要文法ではないということです。

 また、別の例では、「名詞では名詞によって容器を変える」ーというアレです。

水はガラスコップで飲むから、a glass of water、コーヒーは陶器のカップで飲むから a cup of coffee,( 牛乳は紙パックで売っているから a carton of milkだそうです)。では、ガラスコップで牛乳を注文したい時はーーなんだか頭が混乱しそうですね。

 実はこんな時は、one water,one coffee, one milkのように「注文したい数 + 物の名前」でいいそうです。2つなら、2 water, 2 coffee, 2 milk -たったこれだけ。これで通じます。つまり、a glass of water という言い方は確かに正式な文法」ではあるのだけど重要ではないーということです。

 他にもいろいろ「重要でない文法まで重要にしている」ことが数多くあり、その結果「英語というのは規則だらけの面倒な言葉だね。」という誤った認識を持たれており、英語嫌いの最大原因となっています。良い成績を取っている生徒でさえ、「クソめんどくさい科目だな、まあ、大学入試まで我慢、我慢」と思っていることが多い。

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 国語でもその傾向があり、サ行変格活用、ラ行変格活用などを習うのですが、大多数の生徒は「こんなものいらない。」とよくわかっていますよね。「ほう、正式な文法としてはこうなのだな。でも面倒くさいな。まあ、とりあえず大学入試まで我慢しておこう(憶えておこう)」くらいなものです。そして、大学入学後は中学高校の教師が汗水たらして執拗に生徒に刷り込んだ(はずの)サ行変格、ラ行変格などの最重要な国語文法でさえも「はて?何だったっけ?」と、生徒側はすっかりと忘れてしまって、結局、普段使っている「(学者から見れば)正式ではない日本語」での日常会話に戻ってしまっている。でもそれで全く支障はないわけです。

 日常会話はもとより、その後会社に入って上司、取引先に敬語を使うーそんな時でも「正式ではない日本語の敬語」を使って話しているわけですが、何の支障もない。「君の敬語は間違っている。「とんでもございません。」ではなく、「とんでもないことでございます」だろう?、直したまえ。」なんて言ってくる人はーまずいない。日本人ではサ行変格、ラ行変格なんて忘れてしまっている人がほとんどです。でも、人生において「会話に困った」なんて事はほとんどない。

(注:実は「とんでもないことでございます」が正しい、正式な日本語です)

 だから、知識として一応「正式な日本語、日本語文法」を習うのは良いとしても、だからといって普段話している日常会話を直す、「正式な日本語文法で話すように改める、努力する。」←なんて必要は全くない!ーってことは皆さんよく承知しているところです。

 正式な日本語文法とはーそれは、「国語学者が集まって勝手に決めた正装(蝶ネクタイにタキシード)のような堅苦しい言い方に過ぎない。」と思うのです。そして、アナウンサーや政府の報道官などの職に就(つ)かない限り、正式な日本語文法使う機会というのは人生においてめったにないーというのが実情です。

 

 話を英語に戻します

 なので、学校で教えている正式な英語もー(欧米で言語学者が集まって勝手に決めた正装のような堅苦しい言い方に過ぎない)と思います。ゆえに、ネィティブが普段話す会話とはかなりかけ離れています。

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例えば、観光地などでよく頼まれる、「私達の写真を撮ってくれますか?」

Can you take a picture of us ? への答え方は、正式英語では、

Yes, I can. (正式な答えではまず、「Yes/ No」を言う。次に疑問文の「you」は「I」に変える。最後に動詞takeはdoに変える)―こんな、最も基本的な答えを作るだけでも面倒くさいですね。

でも、ネィティブの普段会話なら、

Sure.(もちろん。←答えとして、たったこれだけです

 

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ちょっと急いでいて、撮ってあげられない時は正式英語では、

No, I can’t.(いいえ、私は撮れません)-すごいはっきりした断り方ですね。

 

でも、ネィティブの普段会話なら、

Sorry, I’m in a hurry. Sorry.(すみません、私は急いでいるのです。すみません。)

ー正式な文法に全て違反しており、Sorryも2回使っている。正式な文法書的には悪文です。

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でも、日本語の訳を見ればわかりますよね。どちらが相手の感情に配慮している良文か。

 

本の学校式の英会話は変な所が多い

 ーと思います。上の例を見てもわかるように「Do you~?, Can you~?」の答えは必ずしも「Yes/ No , + 主語 + doなどの略動詞」ではありません。時と場合、相手の状況により言い方は千差万別です(返答として「Sure.」「OK」「Great!」など感情を込めた1単語だけで済ませる場合も多いです)。

 また、初めて英語に触れる中学1年で早くも「完璧な文」しか許さない、1カ所でも間違えれば減点ーというやり方は生徒に高い緊張をもたらし、その結果、挫折者=「英語嫌い」の生徒を数多く生んでしまっています。特に先生は「学業成績の良い生徒は他の生徒の模範になってもらいたい」と思うらしく、これら優秀な生徒の回答は特に細部に至るまで厳しくチェックします。その様子はまさに「チェック魔」です。優秀な生徒側も「高得点を維持したい」という強い思いがあり、否が応でもその「細かいチェック」に敏感になっていきます。そして、それら生徒は次第に日常の生活でも「あらゆる事の細かいミスが気になる」神経質な性格に変わっていってしまうーといった傾向があるようです。

 

無理のない、なだらかな上達への道を選ぼう。

 それは、ネィティブの言い方を真似(マネ)するーことだと思います。特にネィティブは「2,3単語で作られたフレーズ」や「単語だけ」で会話することも多いので、まずはそこから真似(マネ)する。

 

なるべく短いフレーズから真似(まね)を始める

 上達の段階を図にしてみると、こんなイメージです。

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What do you like ~ ? の答えには文なんか必要ないんです。

 

具体的な練習方法は、

基本文法はほとんどわかるよーという人はここから、

www.youtube.com

 ※ 「初心者」というタイトルを軽く見ないでください。

  学校で英語の成績が優秀だった人も実は「英会話の通信簿は1,2」という場合が多いのです。

 

いや、基本文法も自信がないーという人はここから、

 

idktskn.hatenablog.com

 

ちょっと遊び感覚で上達

idktskn.hatenablog.com

 

追伸:

話している時、わからない単語が出てきたら

 たとえば、外国人と会話していて、「イーボゥ」と聞こえたとします。「あれっ?この単語、何だかわからない」と思ったら、聞いた通りーそのままで良いので、「イーボゥ」と発音し、さらに「?」を付け加える。つまり、「イーボゥ?」…これ、実は一番単純な疑問文(1単語だけの疑問文)。これだけで、「イーボゥ」の意味を聞いているなーと相手はわかるんです。この「1単語だけの疑問文」、実はネィティブの間ではとてもよく使われています。(正式な文だけを目指す学校英語では絶対に教えないけどね)。さあ、今度話す時に試してみましょう。

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