「集団的自衛権」ってなんだ？

　これって何だかわかんないし、面倒くさいから、かったるいし。…と思って関心がない、または避けている人―は要注意です。実はわれわれ庶民の生活に大きな影響があるんです。
　つまり、世界のどこかで小さな戦争が発生すると、わざわざそこへ出かけて行って、殺し合い（戦闘）をする可能性が出てきたのです。
　そんなの俺には関係ないよ、自衛隊がやればいいだろ−いえいえ、それでは済まないのです。安部総理は第二次大戦前の日本が大好きです。全国隅々にまで統率が行き届いており、総理大臣の命令１つで全国民が右を向く。いや、やっぱり左にしよう−と思えば今度は全国民が左を−そんな自分の意のままに動く日本が理想のようです。
　「集団的自衛権」というのは、集団（国々のグループ）全体でグループ内の国を守ろう−という軍事契約です。安部総理は今のところ、日本とアメリカを集団（国のグループ）にしようと考えています。
　
　「集団的自衛権」条約が日本とアメリカの間で結ばれると、日本が近隣諸国から攻撃された場合はアメリカが助けに来ます（条約により、今までのような好意ではなく援軍は「義務」となります）。これは良いことですが、逆にアメリカがどこかの国と戦争状態になった場合、今度は日本が助けに行かなければなりません。ここが問題でして、実はアメリカという国は敵の多い国で、軍事的に敵対している国としてイラン、北朝鮮、そして最近では南シナ海の関係で中国とも軍事的に敵対関係に入りました。フィリピンと協力して南シナ海から中国を追い出そうと活動を開始したからです。
　一番やっかいな敵対関係は「北朝鮮」です。北朝鮮はアメリカを眼の仇（かたき）にしており、アメリカも「北朝鮮」の非人道的な政策や大陸間弾道核ミサイルを脅威に感じており、何かが引き金で小規模な戦争に発展する可能性があります。「小規模」とはすなわち、朝鮮半島周囲で起きる小さな戦争です。アメリカと北朝鮮が小規模とはいえ戦争を始めれば、「集団的自衛権」条約が成立後は、自衛隊はアメリカと共に戦闘に参加しなければなりません。その場合、北朝鮮側から見るとアメリカも日本も１つの敵グループ国に見えます。「アメリカと日本が我が国を攻撃してきた。」と感じます。そうなると日本の領土は敵国の領土です。では、あなたが北朝鮮の将軍で日本の領土を攻撃するとしたらどこを狙いますか？
　米軍基地、自衛隊基地、そして原発でしょう。日本では現在全原発が停止中とはいえ、もし攻撃されて炉が破壊され、使用済み核燃料が空気にさらされれば被害は福島の比ではありません。九州、四国の原発が破壊されれば、汚染放射能は偏西風に乗って近畿、東海、関東地域へやってくるでしょう。そうなれば、多くの人が避難−でも、どこへ逃げるのですか？