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やたらと元気のいい会社「スバル」(その1)

 試しに試乗してみたら意外と良い車だったので購入したスバルインプレッサ。購入交渉、またその後の点検などで付き合い始めたスバルショップ。新車購入に絡(から)み、ネットであちこち調べた情報―などで、この会社は販売店も含めてちょっと(かなり)ユニークとわかったのでその辺を書いてみました。

 

車が足りない
 販売台数が減少し、苦戦している会社もある中で、スバルは軽々と計画目標100万台を突破。特にスバルが得意とする「凍った道」、「荒れた道」が多い北米(北アメリカ、カナダ)では売れ過ぎて車が足りず、「社長、アメリカに行くときはヘルメットを持って行った方がいい(ディラーの経営者に頭を叩かれるから)」と言われるような状態。ようやくシカゴ近郊に大工場を1つ作ったが、それでもとても注文に追い付けない。仕方がないのでとりあえず日本の工場をフル稼働し、北米向けに船積み・輸出してなんとか賄(まかな)っている(現在、日本の工場で生産している台数のうち3分の2は北米向けだという)。

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 しかし、会社方針としては「台数は追わない(質が落ちるから:吉永社長)」なので、現在は全て注文生産(注文が入ってからそれを作り始める)、そして利幅が薄い軽自動車やコンパクトカーは止めた(現在売っているジャスティやステラはトヨタダイハツ車の流用)。そのため、現在は車両価格が高い3ナンバー車だけに絞って生産している。(インプレッサ1600だけは、昔まだこの車がサニー並みに小さかった頃からの庶民ユーザのために比較的安く設定してあるが、それ以外の車種は軒並み「車両価格220万円から」ーとなっている)。その結果、値引きが渋いこともあり「1台あたりの利益率」は高い。トヨタを抜いて高級車ブランドであるレクサスに次いで日本2位―だそうだ。

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プライドがかなり高いメーカーと販売店
 自分たちは他社とは比べ物にならない良い車を作っている、売っているーという意識がかなり高いです。実は前車の購入時(12年前)にも別のスバル販売店を訪れたのですが、担当の方から延々1時間スバル車の自慢話。WRCというダート(泥道)ラリーで勝っているとか、元々はゼロ戦を作っていた航空機メーカーだから「そもそも1つ1つの部品からして他社とは違う」とか、水平対向エンジンを作るのはとても難しいが、高い技術で実現しているとか。
 とにかくその話しぶりは、客への気遣いはあまりなく、お客として応対してもらっているというより、自分の主張を言いたい、「スバルマニアの自慢話を一方的に聞かされていた」感じでした。まあ、今回の販売店もそうですが、他社と比較してスバルの販売員は「車愛(スバル愛)」が強い。「スバルはいいんですよお。 ^ ^」と言っている時の販売員の顔は幸せそうです(ちょっと周りが見えていない感じもある)。


 とにかく北米で売れまくっている、国内でもほどほど売れているーなので、販促など必要ない(TVコマーシャルなんていらないんじゃない?)って感じ。なので、「月に何台売れ」というメーカーからのノルマも無さそうです(どこかの”苦しいメーカー”から見たらとても羨(うらや)ましいでしょうね)。なにしろ、4,5年前の「燃費競争真っただ中」で出してきた新型インプレッサ(2000ccエンジン)の燃費がカタログ値でさえ17km/ℓ。他社の新車は軒並み最低でも22~23km/ℓを提示しているというのに、全く競争する気が「ない」。あるメーカーでは競合できるだけの燃費が出せずに、「燃費だけじゃない」と言い訳がましくテレビCMで言っていたけど、スバルは何も言わず黙って新車でこの燃費値で堂々と売り出してくるのだから、よほど売れる自信があるというか、いやむしろ計画以上に売れ過ぎてちょっと困っている状態(「工場を拡張せんといかんのか、それも嫌だなあ」)というところ。
 そもそも本拠地が群馬県太田市というところの田舎のメーカだから、トヨタ、日産などとは違ってどこかノンビリしたところがある。「えーっと、いい車作りを毎日、毎日真剣に追求しているのだから、当然売れるでしょう!!」ーみたいなところがある。もちろん、他社も「いい車作りを毎日、毎日追求している」点は同じなのですが、スバルと違う点として、例えば「社内で派閥争いがある。」こと。「新社長の候補として○○派の□□が有力らしいです。」「何っ!、何としても阻止せねば。お前たち、追い落とすための知恵を絞れ。」みたいな、およそ車作りとは程遠い(逆にマイナスな)作業に結構な労力を取られている-というような、そんな会社もあるらしいです。

 

もっと大きくなれるけど、大きくしない
リーマンショックみたいなのが怖いから)
 リーマンショックの時は全世界的に不況で(日本でも商品が極端に売れなくなり、ほとんどの会社の成績、利益が大幅に落ち込んだ時期)、その頃はスバル車の評価も低く、販売台数もかなり落ち込んだため各工場の半分の機械が遊んでいたそうです。当然、工員の労働時間も半分にして十分だったけど、給料も半分―というわけにはいかなかった。広い工場の固定資産税、電気代も半分―というわけにはいかなかった(例えば特殊な機械やベルトコンベアなどは時々動かしてやらないと調子が悪くなる)。そのため今でも「工場の拡張」にはとても慎重。なので、既存の工場内のスペースを効率的に使用してできるだけ増産しているーのが現状だそうです。
 また、会社が大きくなると目が行き届かなくなる、実力のある(社内紛争を起こしそうな)厄介者グループも生まれてくるかもしれないーそれは気苦労だ。管理が大変になる。だから今の規模くらいが限界ではないか。いみじくも社長の「足りないーと言われているくらいがちょうどいいんです。」という発言が意外と本音のように思える。
https://www.sankei.com/premium/news/150804/prm1508040001-n1.html
 とにかく、リーマンショックみたいな突然の大不況が来て車が売れなくなり、大赤字になるーという事態が怖い(工場を大きくすると、人件費をはじめ1日当たりの固定経費(生産台数にかかわらず出ていく金)も増えるからね)。

 また、トランプ大統領は突然思い付きの「関税20%引き上げ」などのような大胆な政策をするので、たくさん北米へ輸出している車の価格もどうなるかわからないー、かといってアメリカ本土で質の良い従業員を採用するのも、また育てるのも大変だーなどで、工場を広げるのは慎重にならざるを得ない―というわけだ。

                                                                                                           < つづく >

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