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人の心が揺れ動いた最近の2ヶ月

 日大のタックル問題、加計・森友学園問題、そしてサッカーワールドカップの日本代表の戦いーそれぞれに関係する当事者、そしてそれを取り巻く国民の心が大きく揺れ動いたここ2ヶ月であった。

 まず、日大問題。5月6日に日大−関学の定期戦において、故意に相手の重要選手にケガをさせるーという目的で悪質タックルが行われた。当初は指示が推測された監督のみならず実際に行為を行った選手にも非難が集まったが、該当選手の歴史上初めてと思われる画期的な記者会見で、彼は自力で自身の未来を大きく切り開いた。普段は各事件を面白おかしく報道・解説する「トクダネ」「ミネヤ」といったテレビの情報番組でさえも「彼は立派な態度であった」と褒(ほ)め称(たた)えた。
「事実をありのままに詳しく公開し、沙汰(さた)を待つ」―このような態度は、特に日本では武士道にもつながる「潔(いさぎよ)い態度」とされ、周囲の者、特に被害者の感情を好転させる。誰でも過去に「大きな過ち」の苦い経験があることもあり、「全てを公開し、深く反省し、処分を待つ」という態度であるならば、むしろ「刑を軽くしてやろう」という気持ちになる。この場合も宮川くんは加害者であるにもかかわらず、この会見で「彼に好印象を持った」経営者も少なくないようで、かくして彼はこの会見で一気に自分の未来を切り開いたわけである。

 同じようなことがサッカーワールドカップでも起きた。ポーランド戦で0−1で負けている状況にもかかわらず、残り10分を自陣でのパス回しで「時間を潰した。ワザと負けた」。勝利こそ第1のプロスポーツ界ではあり得ない指示、そして行為だ。アメリカでは例えば大リーグでは引き分けは許さない。勝ち負けの決着がつくまで夜中の2時、3時まで延々と試合を行う。それが本来のプロスポーツの姿だが、西野監督は「負けて上位へゆく」道を選んだ。これについては、「計算的には正しい選択かもしれないが、勝負の世界に身を置く者としてはいかがなものか」という声も多い。
これについても監督は試合後に談話を残している。

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「選手たちは私のメッセージを忠実に実行してくれました。私にとっても、信条である攻撃的なスタイルを捨てなければならないという選択は不本意でした。今回の状況によって、他力に頼るという選択肢を余儀なくされました」

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自分の揺れ動いた心を詳しく、正直に話している。このように「実はこうなんだ。俺も相当迷ってね。『日本代表として堂々と勝負すべき』という気持ちと『ここで一点差負けならばギリギリで決勝トーナメントへ行ける』、という相反する2つの思いがある。どうすべきかと」。迷った部分も含めて細かく率直に話している。なので、W杯のような世界一のスポーツイベント、国民の関心が非常に高い試合で結果的に「ワザと負けた」ということであっても、聞いている者は「そうか、そうゆうことか」とある種の共感や納得の感情が出てくる。その証拠にポーランド戦からたった1日経った今日現在、W杯の話題は既に次の対戦相手ベルギーに集中している。「ワザと負けた」事などもう忘れられている感じだ。

 この二人と対象的なのが、日大の井上コーチ、内田監督。そして加計・森友学園問題に揺れる安倍総理である。三人に共通しているのは「隠そうとする」そして「ウソをつく」。
このような態度を取られると聞いている者は怒り、更に非難は大きくなる。安倍総理の場合は主要公務員の人事権を握っているなど権力が強大なので財務省職員を中心に今のところ「口封じ」は上手くいっている感じだが、「ウソ発言のつじつまを合わせるために更にウソをつく」状態に落入(おちい)っているので果たしてうまく逃げ切れるかどうかーというところである。
 まあ、自民党全体が地方の有力者の集まりであり、「口利き」や「斡旋(あっせん)」などは支持者や支持企業へのお礼として「よくあること」なので、加計・森友問題はたいして問題にしていない。「早く収束してくれよ」と願っているところ。つまり、そのような政党なので主要な秘密を知っている財務省のある職員などが勇気を出して告発し、安倍総理を退陣させたとしても次の総理に仕返しをされてしまう恐れがあるーというわけである。

 結局のところ、衆議院選挙などで人物をしっかり見極めて投票し、行政の最上部を浄化させていかないと、このような問題は形を変えて今後何度でも発生する。本来は監査役であるはずの検察庁警察庁の中枢幹部なども総理大臣が任命しているということを私たち国民は知っておく必要がある。

― 総理のお友達なら犯罪も うやむやに −
https://www.sankei.com/premium/news/170603/prm1706030020-n1.html

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