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東海道線が不通(乗客の立場から)

 去る10/6の台風18号の大雨により静岡県由比地区で土砂崩れが発生し、JR東海道線が土砂に埋まり長い間寸断されました。他県の人は状況がよくわからず、また不通状況や代替バスなどの対処情報が今後の皆さんの参考になると思われるので、乗客として実際に県東部から静岡市まで毎日通勤している僕が状況や感想を書いてみようと思います。
 JR東海道線はとても大勢の人や貨物が利用する「在来線鉄道としては日本一の幹線」であり、早々に復旧するだろうとの見方が大勢でしたが、意外に被害は大きく、復旧まで10日かかりました。

■不通区間を新幹線が代行
 「由比〜興津」間の定期を持っている人に限り、新富士駅から静岡駅まで無料で新幹線に乗ることができました。「得をしたじゃないか。」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実は10/6以前の在来線による「富士駅〜静岡駅」の方が全然速いのです。それはなぜかというと、富士駅から新富士駅の間が離れているーからです(約1.6km)。この距離がクセモノでして、この間を現在シャトルバスが運行しているのですが、バス停で立って待っている時間が長いのです。そしてバスが来ても満杯詰めで乗車なので、座れる確率はよくて3回に1回というところです。そして新富士駅から新幹線ーこれがまた満杯詰めで、また「JR在来線定期での乗車のお客様はデッキまたは通路で立って乗車をお願いします。」ーということで、富士駅を降りてから静岡駅に着くまでの約50分間ー「ずっと立ったまま」状態でいなければなりません。
 「新富士駅から静岡駅までは新幹線だと12,3分ではないの?」ー新幹線をよく知っている方はそうおっしゃるかもしれません。しかし、実際はこうです(バス待ちのための列並び時間:約15分 + バス乗車中時間10分 + 新幹線待ちの列並び時間15分 + 新幹線乗車中時間13分 )。僕は新幹線待ちの列並び時間15分の時はどこか椅子を見つけて座ってしまいますけど、ほとんどの人はずっと立って新幹線を待っています。乗客ではない一般の方は代行運転というと「代行バス乗車中時間」が余分にかかるだけーと思いがちですが、実際には「バス待ちの列並び時間」や接続先の「列車への乗車、発車までの待ち時間」といった隠れた「立ってじっと待っている時間」がバカにならず、また立ちっぱなしなのでとても苦しいーということを憶えておいて方が良いかと思います。


■不安なこの地区

 上の写真を見ておわかりのように、山の急斜面のすぐ下に東海道線が通っています。土砂崩れは今回で打ち止めでしょうか?この斜面を見れば誰もが「また起きるかも…しれない」と思うでしょう。そうです、10/6以前でも僕達乗客はこの地区を通るたびにいつも不安に襲われていました。「大丈夫だろうか?」と。JR東海は新幹線でかなり儲かっているので、今度は自費で10兆円かけてリニア線(東京〜名古屋間)を建設しようとしています。が、僕としては危険箇所の根本的な対策、修復を含む「在来線の充実」をまず優先してほしいと思っています。今度は走っている電車が土砂に襲われ脱線し埋まってしまうかもしれません。そうなれば「東京電力の二の舞い」で、痛烈な社会からの批判と莫大な賠償金に苦しむことになりかねません。

− この地区の歴史 −
1707年 宝永地震により崩壊
1854年 安政東海地震により崩壊。なお、この地震の影響で直下の海岸が隆起し海岸線が通行可能になった
1892年、1938年、1948年 原因不明の崩壊が発生。直下に位置する東海道本線を埋没させた。

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