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観光立国となってきた「この国」

 日本に来る観光客が年々増えている。特に京都や鎌倉は外国人観光客が多すぎて地元の人達の生活にも支障をきたしているそうだ。市バスは観光客で満員で乗りにくい、あちこちで交通渋滞が発生、マナーの悪い観光客が街や寺社、周辺を汚すこともあるという。何より静かな風情(ふぜい)が失われており、「もう、これ以上来ないでくれ。」との声も上がっているそうだ。

 日本の何が魅力なのかーと言えば、人が作ったもの、つまり我々日本人が作った物(製品、料理、快適な乗り物など)やシステム(客が来る場所は掃除が行き届いている、丁寧な接客(おもてなし)など)が魅力なのである。一番よく言われるのが、電車の定時運行。到着が5分遅れれば、「5分ほど遅れる見込みです。」の車内アナウンスが流れる。それを受けて乗客は携帯やスマホで職場や友人に連絡-「5分遅れます」。この光景に外国人はビックリするらしい。というのは、彼らの国では待ち合わせに10分、20分、いや30分くらい遅れて来るのは普通。感覚の違いなのか。もしそんなに待たせたら日本人なら怒って帰ってしまう人も出てくるだろう。いろいろなものがキチンと動いている、キチンとしているのは我々日本人には「あたりまえ」の光景だが、日本以外のほとんどの国はいろいろとかなりルーズらしい。(実際には、日本だってゴミが落ちているところもあるし、個人宅の庭や廃工場などで汚く散らかっているところもある、また あおり運転、危険運転などマナーの悪い車もありーで、日本人としてはそんなにキチンとしているとは思ってはいないのだが)。特に褒められているのが「トイレ」。これほどトイレがキレイでかつ気軽に使える国は他にないようだ。(アメリカではトイレには鍵がかかっており、使う時は従業員に依頼してパスワードを教えてもらうのだそうだ。有料の場合も多い。なので、英会話に自信のない人は我慢してしまう人も多いと聞く。パリではそもそも街中にトイレが少なく、有料の場合が多いのでワインの飲み過ぎに注意―と旅行ガイドに書いてある。)

 つまり、逆に我々が外国に行く時は「いろいろと快適でない事、思いもかけない不便な事がある」「治安が悪い」ことを覚悟して出かけるべきだーということ。外国では背中に背負うリュックサックはダメだそうだ。必ずスリグループに狙われ、中味を取られてしまうーという。「バッグは体の前へ」が合言葉だそうだ。電車内で居眠りなどはもってのほからしい。

 まあしかし、外国からの観光客が増えるということは、この国にとっては良いことだ。現在の安倍首相はこの国を「より誇り高き国」にしたいと強く思っている。そんな中で、外国からの観光客の増加はとても歓迎すべき事だ。来れば来るほど日本の良さを知ってもらえる、日本ファンが増えてくる。日本に来る彼らはそれぞれの国で高収入を得ている、社会的に地位の高い人が多く、国に帰れば良きみやげ話を周囲の要職者にしてくれる。これは回り回って諸外国の日本の評価につながる。また、旅行中に交通費や滞在費、買い物などでかなりなお金を国内に落としてくれる。現在人手不足で好景気なのはこの観光関連が大きく貢献しているのは間違いないところだ。(現在は大きな古都などの市に外国人観光客が集中しすぎなので過疎地の田舎へいかに分散させるかが課題となっている)。

 このように観光が重要な地位を占めてくると、政治家は威圧的な政策はとりづらくなってくる。安倍首相は戦前の「軍による絶対統治」を理想としているが、観光客は「楽しい国、安全な国」へ集まる傾向が強いわけだから、軍人が威張っている、国民が暗い顔をしている国ーでは、観光客が減ってしまう。やはり自由な感じで国全体が楽しく盛り上がる様にせざるをえない。悪い例では最近のフランスだろう。最近は暴力テロ、暴力デモがよく起こり、パリの雰囲気は「粗い」。そのため観光客はフランスを避け、よその国へ流れている。

 「観光は平和を進める」―これは最近発見した法則だ。昨年の10月からオンライン英会話を始めて、そして講師から時々言われるのが「我が国にバカンスに来ませんか?良い景色がいっぱいありますよ。」と勧められる。が、しかしこちらの答えはこうだ。「確かに良い景色の所はいっぱいありそうですね。でも危険も多いでしょう?」と。以前にもこのブログで書いた、例えばラピュタ風の要塞にも行ってみたいが、いかんせん所在地はインドである。あちこち汚くしている、また生活に困っている人が多く、路上でも強引な押し売りが多そうだ。以前中国に行った時も、帽子だの毛沢東のプロマイドだのと「買って、買って。」としつこくまとわりつかれて困った記憶がある。

 つまり、いくら良い景色があっても国民、そして国がキチンとしていないと観光客はやってこない、増えてこないーということに各国ともようやく気がつき始めた。将来、格安航空会社などを中心に旅行が今よりもっと盛んになって、

観光客が大幅に増加 → 旅行・観光が毎年何兆円の消費―という風に巨大な産業になってゆくならば、

「さあ! 次はどこの国へ(行こうか)。」「楽しく、キチンとしていないと行かないよ。」という観光客の声は大きくなってくる。

各国政府要人達もこの声に関心を持たざるを得なくなってくるはずだ。

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